眞田正適の心書

住職の心書49.基礎

友達が建てた三階建ての家を羨ましく思った愚者は自分も同じものが欲しくなって大工に同じものを作ってくれるように依頼した。
大工は早速、地を均し、石を積み重ねて基礎から作業にかかりました。

次の日、
愚者 「出来たか?」
大工 「まだです!基礎の部分が終わり一階の部分に差し掛かったところです。もう少しお待ち下さい。」

愚者は「早く作ってくれ」と言い放ち帰って行った。

次の日、
愚者 「出来たか?」
大工 「まだです!一階部分が終わり二階に差し掛かったところです。明日には完成すると思いますのでもう少しお待ち下さい。」と言うと
愚者「私が作って欲しいのは三階建ての家だ!一階・二階は要らないから早く三階建ての家を建ててくれ!」といったお話。(百喩経)

愚かなものは、努め励むことも知らないで、ただ良い結果だけを求めます。
しかし、土台のない三階はあり得ないように、努め励むこともなくして良い結果を得られるはずがありません。
目的を達成する為には一階・ニ階と基礎を固めていくからこそ三階が完成されるのです。
「何の意味があるの?」と思われる夏休みの宿題も夢を実現する為の地味な基礎を作りであります。

知心寺住職 正適

眞田正適

眞田正適

中学校を卒業してから高野山にて十年間 真言密教を学び、行を経て地方寺院にて長年奉職するもコロナウイルス感染症が流行により、辞職することになる。 自分自身に何ができるかと自問自答していた時に、知心会代表である岡本真太郎と出会い、「皆が共に学び、共に成長できる場所を作りたい」といった想いに感銘を受け、知心寺を興し、知心寺住職を拝命する。 日々綴っている「住職の心書」では、仏教の教えをもとに心を豊かにする言葉を発信している。

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