眞田正適の心書

住職の心書105.聴き手 1/2

昔、2人の仲の良いお金持ちがおりました。

1人のお金持ちが病気で亡くなってしまい、残された1人の息子が全財産を相続して跡を継ぎましたが、仕事もしないで毎日遊び暮らしていましたので数年のうちに財産を失って落ちぶれていました。
もう1人のお金持ちは友人の息子が落ちぶれているのを見て大金を与えて言いました。
 
「君のお父さんの友人として君にチャンスをあげよう。このお金を使い事業を起こし、亡きお父さんのように立派な商人になりなさい。」

友人の息子
「心を入れ替えてがんばります。」

それから数ヶ月経ちましたが、彼は遊び癖が治らずたちまち大金も無くなってしまいました。

再び困窮している友人の息子を見たお金持ちは
「ゴミ置き場に捨ててあるネズミの死骸からでも自分の生活費ぐらい稼ぎ出す人がいるのに大金を与えられながら困窮するとは何事ですか。」

と友人の息子を説教しました。

この話をちょうど家の外を通りかかった乞食が耳にしていました。
「人間がやる気になればネズミの死骸からでもお金を稼ぎ出すことができるのか。よし挑戦してみよう。」

知心寺住職 眞田正適

眞田正適

眞田正適

中学校を卒業してから高野山にて十年間 真言密教を学び、行を経て地方寺院にて長年奉職するもコロナウイルス感染症が流行により、辞職することになる。 自分自身に何ができるかと自問自答していた時に、知心会代表である岡本真太郎と出会い、「皆が共に学び、共に成長できる場所を作りたい」といった想いに感銘を受け、知心寺を興し、知心寺住職を拝命する。 日々綴っている「住職の心書」では、仏教の教えをもとに心を豊かにする言葉を発信している。

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