眞田正適の心書

住職の心書191.目先

ある商人が、人に五銭を貸したが、少しも返そうとしないので、その人の所へ返済の催促に出かけた。

途中に大きな川があり、舟に乗って渡るのに十五銭を使った。

やっとの貸した方の家まで来たが、あいにく留守で、とぼとぼと来た道を帰る事に。

またさっきの川を渡るのに同じく十五銭使ってしまう。

結局貸した五銭のために三十銭を失ってしまう事に‥。

それだけではなくヘトヘトに疲れて、わずかな金を貸したばかりに多くのものを失ったと皆から笑われた。(百喩経)

わずかな目先の利益ばかりを追いかけるとお金の他にも「時間」「体力」「信用」取り返しのつかない大きな財産を失ってしまう。

知心寺住職 眞田正適

眞田正適

眞田正適

中学校を卒業してから高野山にて十年間 真言密教を学び、行を経て地方寺院にて長年奉職するもコロナウイルス感染症が流行により、辞職することになる。 自分自身に何ができるかと自問自答していた時に、知心会代表である岡本真太郎と出会い、「皆が共に学び、共に成長できる場所を作りたい」といった想いに感銘を受け、知心寺を興し、知心寺住職を拝命する。 日々綴っている「住職の心書」では、仏教の教えをもとに心を豊かにする言葉を発信している。

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