ある商人が、人に五銭を貸したが、少しも返そうとしないので、その人の所へ返済の催促に出かけた。
途中に大きな川があり、舟に乗って渡るのに十五銭を使った。
やっとの貸した方の家まで来たが、あいにく留守で、とぼとぼと来た道を帰る事に。
またさっきの川を渡るのに同じく十五銭使ってしまう。
結局貸した五銭のために三十銭を失ってしまう事に‥。
それだけではなくヘトヘトに疲れて、わずかな金を貸したばかりに多くのものを失ったと皆から笑われた。(百喩経)
わずかな目先の利益ばかりを追いかけるとお金の他にも「時間」「体力」「信用」取り返しのつかない大きな財産を失ってしまう。
知心寺住職 眞田正適
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