眞田正適の心書

住職の心書202.補う

実際私が病気で寝込んだ時、世間は何事もなかったかのように回っていた事を実感した。
しかし、勝手に回っていたのかというとそうではなく、身体は動かなくても聴こえてくる音(聴覚)やメッセージのやりとり(視覚)から影なる力が働いていたことに気付かされる。
怪我した時に身を守ろうと、瘡蓋(かさぶた)ができるように駆けずり回って必死に抜けた穴を埋めようと周りが補ってくれている姿を見た時に「世間は勝手に回っていく」といった言葉ではなく、抜けた穴を補ってくれている人達がいて世間は回っていく。
ありのままに見るというのはどこまでも広がって繋がっている「縁」を見る事だと感じる。

知心寺住職 眞田正適

眞田正適

眞田正適

中学校を卒業してから高野山にて十年間 真言密教を学び、行を経て地方寺院にて長年奉職するもコロナウイルス感染症が流行により、辞職することになる。 自分自身に何ができるかと自問自答していた時に、知心会代表である岡本真太郎と出会い、「皆が共に学び、共に成長できる場所を作りたい」といった想いに感銘を受け、知心寺を興し、知心寺住職を拝命する。 日々綴っている「住職の心書」では、仏教の教えをもとに心を豊かにする言葉を発信している。

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