「阿波の大滝岳に登りよじ、土佐の室戸岬に勤念す。谷響きを惜しまず、明星来影す」(三教指帰)
訳)阿波の国の大滝岳によじ登り、土佐の室戸岬で一心不乱に真言を唱えていると谷はこだまを返し、明星(虚空蔵菩薩の化身である)が姿を現した。
明星が徐々に大きくなり弘法大師(空海)の口に入り、宇宙と一体になったと言うべき神秘体験をしたと通説では言われております。
私は、この体験は「ハッと」気付いた瞬間に大きく物事の見方が変わったといった事を表しているのだと愚考します。
同じ光であっても、同じ景色であっても気持ちの持ち方やその時の状況で大きく見方が変わってきます。
寒い日にお日様が有り難く感じるように。
知心寺住職 眞田正適
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