眞田正適の心書

住職の心書217.ひと息

「人の一生とは一息の間である」とお釈迦様は説きました。
昨日も明日もない一つの息をする今の瞬間こそ人生 全てだと言うのです。
息を止めてしまえば明日はありません。

人は何故苦しむのでしょうか?
 
それは得ることばかりを追い求めるからであります。  
息も同じように失いたくないと思い、息を吸って吸って吸って更に吸ってと得るばかりでは息苦しくなってしまいます。
体の中の空気を吸って吐き出すからこそ楽になれるのです。
未来の事を見据える事ももちろん大切ですが、未来の為に得ようとするばっかりになってしまい失うことを恐れてしまうと次第に手荷物が多くなって身動きが取れなくなってしまいます。

知心寺住職 眞田正適

眞田正適

眞田正適

中学校を卒業してから高野山にて十年間 真言密教を学び、行を経て地方寺院にて長年奉職するもコロナウイルス感染症が流行により、辞職することになる。 自分自身に何ができるかと自問自答していた時に、知心会代表である岡本真太郎と出会い、「皆が共に学び、共に成長できる場所を作りたい」といった想いに感銘を受け、知心寺を興し、知心寺住職を拝命する。 日々綴っている「住職の心書」では、仏教の教えをもとに心を豊かにする言葉を発信している。

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