眞田正適の心書

住職の心書246.調える 2/2

瞑想の際に先ずは、身体を調える「調身」と息を調える「調息」から始めます。

「整(ととの)える」ではなく「調(ととの)える」のです。

「整える」は型があるものに対して嵌(は)め込むといった意味であり、そのようにはみ出した形が生まれてしまうとかえって苦しくなってしまいます。

「調える」は調整や調律というようにチューニングといった意味であります。
形が決まっているわけではなく人それぞれ丁度いい場所が違うからこそ向き合い方も違ってきます。
味付けも好みや体調によって人それぞれ違ってきます。

これが「絶対」や「正しい」とかではなく自分にとって丁度良さを見つけて調節していくのが「調える」意味であります。
無理をせず偏らず、自分自身にとって「丁度良い加減」を見つけることが大切であり、仏教ではこの事を「中道」といいます。

知心寺住職 眞田正適

眞田正適

眞田正適

中学校を卒業してから高野山にて十年間 真言密教を学び、行を経て地方寺院にて長年奉職するもコロナウイルス感染症が流行により、辞職することになる。 自分自身に何ができるかと自問自答していた時に、知心会代表である岡本真太郎と出会い、「皆が共に学び、共に成長できる場所を作りたい」といった想いに感銘を受け、知心寺を興し、知心寺住職を拝命する。 日々綴っている「住職の心書」では、仏教の教えをもとに心を豊かにする言葉を発信している。

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