眞田正適の心書

住職の心書336.白旗 1/2

昔、王様を大切にしていたお皿を一人の召使いが割ってしまった。
王様は怒ってこんな事は二度とあってはならない。見せしめのためにも召使いの首をはねろと家臣に命じた。
召使いの首をはねる前に王様は召使いに対して「最後、言いたいことがあるなら言ってみろ」と言うと。

召使いは
「ありがとうございます。刑の執行を一年間延ばしていただけませんか?そうすれば私が王様の馬に翼をつけて空を飛べるようにいたします。」と召使いが最後の言葉を述べると王様は笑いながら
「一年後に私の馬に羽が生えて、空を飛ぶか、それともお前の首が空を飛ぶか楽しみにしているぞ」と言って刑を一年間延ばすことができ、召使いは危うく一命をとりとめた。

しかし周囲の人たちは
「なんてこと言ったんだ!王様の馬に翼を増やすことができるわけがないじゃないか!」と言うと召使いは「どうせ遅かれ早かれ死ぬ命。私が思い切ったことを言った事によって今こうして生きておれている」と言って一年後召使いではなく王様が病気で亡くなって処刑されなくなった話。

知心寺住職 眞田正適

眞田正適

眞田正適

中学校を卒業してから高野山にて十年間 真言密教を学び、行を経て地方寺院にて長年奉職するもコロナウイルス感染症が流行により、辞職することになる。 自分自身に何ができるかと自問自答していた時に、知心会代表である岡本真太郎と出会い、「皆が共に学び、共に成長できる場所を作りたい」といった想いに感銘を受け、知心寺を興し、知心寺住職を拝命する。 日々綴っている「住職の心書」では、仏教の教えをもとに心を豊かにする言葉を発信している。

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