眞田正適の心書

住職の心書341.開き直り 1/2

仏教の信仰に厚く日頃から寺院に対して布施をしている王様がいた。

そんな王様は狩猟に出かけた際に家臣から影で笑っていた。
「仏教の禁じる殺生を散々やっておいて、仏教を信仰してると言うのはおかしいでは無いのか」と‥。
その家臣たちの声が王様の耳に入った。

そこで王様は家臣を呼びつけて話した。

王様
「ここに大きな鍋があって湯がぐらぐらと煮えたぎっている中に金が入っているがこの金を取り出すことができるか?」

家臣
「できません。火傷してしまいます。」

王様
「私にはできる。冷水を注いでやると良いそうすると熱湯を冷めて手を入れても火傷しない。
私は国王であって、武人である。狩猟は武人にとって大切な鍛練だからやめるわけにはいかない。だからこそ罪を作った熱湯を冷ますために私は仏教を信仰しているのだ」

といったお話。

知心寺住職 眞田正適

眞田正適

眞田正適

中学校を卒業してから高野山にて十年間 真言密教を学び、行を経て地方寺院にて長年奉職するもコロナウイルス感染症が流行により、辞職することになる。 自分自身に何ができるかと自問自答していた時に、知心会代表である岡本真太郎と出会い、「皆が共に学び、共に成長できる場所を作りたい」といった想いに感銘を受け、知心寺を興し、知心寺住職を拝命する。 日々綴っている「住職の心書」では、仏教の教えをもとに心を豊かにする言葉を発信している。

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