眞田正適の心書

住職の心書348.多くを学ぶ

昔、年老いて出家し、釈尊の弟子となった老いた修行者がおりました。
老いた修行者は、物覚えが悪く、お釈迦様の教えを何年たっても一説も覚えることができなかったので他の修行者たちは彼を愚か者と蔑んでバカにしていました。

お釈迦様はこのような老いた修行者に対し
「口を守り、心をおさめ、身を浄らかに保つ。このように行えば必ず悟りを得る。」

この言葉だけを何度も唱えて覚えなさいとお釈迦様はこの偈文を何度も繰り返し口伝えに教えられました。
教えられた事を一心に刻み、覚え、遂には悟りを得ることができました。
多くを学ぶ事も大切でありますがたった一つの事を続けていくことも同じように大切であります。

知心寺住職 眞田正適

眞田正適

眞田正適

中学校を卒業してから高野山にて十年間 真言密教を学び、行を経て地方寺院にて長年奉職するもコロナウイルス感染症が流行により、辞職することになる。 自分自身に何ができるかと自問自答していた時に、知心会代表である岡本真太郎と出会い、「皆が共に学び、共に成長できる場所を作りたい」といった想いに感銘を受け、知心寺を興し、知心寺住職を拝命する。 日々綴っている「住職の心書」では、仏教の教えをもとに心を豊かにする言葉を発信している。

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