眞田正適の心書

住職の心書493.選択肢

若し流蕩して遂に還らず、諫めを聞きて疾むこと敵の如くならしめば、彼己に益なくして、現未に損あり。
あに翼を奮って高く翔り、鱗を払って遠く逝くに若かんや。
(高野雑筆集)

訳)諌めても、相手がその悪事を改めず、かえって敵意を持つなら、お互いに利益はなく、現在も将来も損失があるばかりであります。もし、そうなら、翼を広げて高く飛び、鱗を払って遠くへ去るほうがよい。

我慢して耐え忍ぶ事も大切な事でありますが相手に敵意を持ってしまったり自分の将来にとって必要事に関して辛く耐えられないと思うならば立ち去ってしまってもよいという言葉に何度も私は救われました。

簡単に逃げ出す事は良きとは思いませんが将来を見据え本当にダメだと思うことなら、逃げても構いません。
耐え続ける必要はなく、自分を責める必要もありません。真剣に考えた末の答えは逃げではなく新たな「挑戦」でもあるのです。

知心寺住職 眞田正適

眞田正適

眞田正適

中学校を卒業してから高野山にて十年間 真言密教を学び、行を経て地方寺院にて長年奉職するもコロナウイルス感染症が流行により、辞職することになる。 自分自身に何ができるかと自問自答していた時に、知心会代表である岡本真太郎と出会い、「皆が共に学び、共に成長できる場所を作りたい」といった想いに感銘を受け、知心寺を興し、知心寺住職を拝命する。 日々綴っている「住職の心書」では、仏教の教えをもとに心を豊かにする言葉を発信している。

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