眞田正適の心書

住職の心書543.手の中

ある村に頭の良い少年がいた。
周りの者がお前は頭が良いがあの山に棲む仙人には敵わないだろうというと頭の良い少年は
ヒナを一羽捕まえてこれで仙人を試してくると言って仙人のもとに向かった。
周りの者がどうするの?と尋ねると少年は「手の中のヒナが生きているかどうか仙人に当てさせる。」

もしも「死んでいる」と答えたら生きたまま見せて、「生きている」と答えたら親指で気付かれないように首をそっと絞めて死んだ状態を見せるのだと。
仙人のところにたどり着いて少年は言った。

「仙人様!手の中のヒナは生きているでしょうか?」

仙人は
「その答えは君の手が握っている。」

上手くいくのか悪くなるのかはやって見ないと分かりません。それは他者から決められるものではなく。自分自身。
生かすのも殺すのも自分自身の判断によるものであります。

知心寺 住職
眞田 正適

眞田正適

眞田正適

中学校を卒業してから高野山にて十年間 真言密教を学び、行を経て地方寺院にて長年奉職するもコロナウイルス感染症が流行により、辞職することになる。 自分自身に何ができるかと自問自答していた時に、知心会代表である岡本真太郎と出会い、「皆が共に学び、共に成長できる場所を作りたい」といった想いに感銘を受け、知心寺を興し、知心寺住職を拝命する。 日々綴っている「住職の心書」では、仏教の教えをもとに心を豊かにする言葉を発信している。

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