タイで「象」の背中に乗せていただいた際に少し不安に感じた事がございました。
それは、小さな杭に繋がれた「鎖」を足に巻かれているだけで象が管理されている点。
「象」ほどの巨体ならば、小さな杭を根こそぎ引っこ抜くほどの力を持っているはずです。
それなのに象は、なぜ逃げようとしないのか?疑問に思い、飼育員に尋ねると‥。
「この象が逃げないのは生まれたばかりの子象の時から杭に繋がれているから」と笑いながら答えられた。
鎖で繋がれた象は何回も何回も逃げようと試みていたのです。
しかし、それを試みたのは「子象」の頃でしたその頃は小さくて、杭を根こそぎ引っこ抜くほどの力はまだまだありませんので、どんなに頑張っても鎖から逃げることができなかったのです。
次の日も、次の日も。そのまた次の日も…
何度も繰り返し、鎖を引きちぎろうとしたができずにそして、ある日…ついに子象は逃げることをあきらめるのです。
どうせ無理だと…。
知心寺 住職 眞田 正適
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