眞田正適の心書

住職の心書642.存在

「涅槃を現ずるは、喩えば月蝕の如し。月に満ち欠けがあるが本来月はつねに満ちており増減はない。仏も常住であり、生滅しない。」
(大般涅槃経)

訳)月は満ちたり欠けたりするように見えるけれど、実は満ち欠けしているわけでなく、月は常に円形であって見方によって変わっていくものである。

入滅される前に説かれたとされるお釈迦様の有名なお話。

つまり、お釈迦様が入滅した後は月は消えて光りを失ったように見えるかもしれないが、
「お釈迦様が説かれた教えは弟子それぞれの心の中にちゃんと在りますよ」と伝えてくれているように思います。

大切な方の姿や形は骨となって無くなったと思うかもしれませんがあくまでも姿・形を変えただけ。

 共に過ごした時間や共に泣き、腹を抱えて笑った時間はいつまでも色褪せる事なく心に生き続けております。

いつも月は優しい光で静かに照らしてくれている。無くしたと騒いでいるのはいつも自身の心。

昨日は月が綺麗でした。

知心寺 住職 眞田正適

眞田正適

眞田正適

中学校を卒業してから高野山にて十年間 真言密教を学び、行を経て地方寺院にて長年奉職するもコロナウイルス感染症が流行により、辞職することになる。 自分自身に何ができるかと自問自答していた時に、知心会代表である岡本真太郎と出会い、「皆が共に学び、共に成長できる場所を作りたい」といった想いに感銘を受け、知心寺を興し、知心寺住職を拝命する。 日々綴っている「住職の心書」では、仏教の教えをもとに心を豊かにする言葉を発信している。

この記事は役に立ちましたか?

参考になりましたら、下のボタンで教えてください。

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


PAGE TOP
ログイン