「涅槃を現ずるは、喩えば月蝕の如し。月に満ち欠けがあるが本来月はつねに満ちており増減はない。仏も常住であり、生滅しない。」
(大般涅槃経)
訳)月は満ちたり欠けたりするように見えるけれど、実は満ち欠けしているわけでなく、月は常に円形であって見方によって変わっていくものである。
入滅される前に説かれたとされるお釈迦様の有名なお話。
つまり、お釈迦様が入滅した後は月は消えて光りを失ったように見えるかもしれないが、
「お釈迦様が説かれた教えは弟子それぞれの心の中にちゃんと在りますよ」と伝えてくれているように思います。
大切な方の姿や形は骨となって無くなったと思うかもしれませんがあくまでも姿・形を変えただけ。
共に過ごした時間や共に泣き、腹を抱えて笑った時間はいつまでも色褪せる事なく心に生き続けております。
いつも月は優しい光で静かに照らしてくれている。無くしたと騒いでいるのはいつも自身の心。
昨日は月が綺麗でした。
知心寺 住職 眞田正適
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