眞田正適の心書

住職の心書733.帰る場所

先日の「旅行」という投稿。
【「帰ってきたよ」とホッと心が休まる場所があるという前提が旅を楽しませてくれる。】
といった内容の投稿をいたしました。

いただいたコメントの中には
「帰る場所がない。」「一人だから。」といったコメントがございました。

「身は花とともに落ちぬれども、心は香とともに飛ぶ。」(性霊集)
訳)体は花と共に落ちてしまうが、その心は花の香とともに漂う。

大切な人が亡くなって、もう会えなくなったとしても亡き人と過ごしてきた思い出はいつまでも心の中で生き続けております。
 
故郷についても同じように思います。

幼い時の記憶に残る情景はふとした「薫り」や「言葉」「味」といった、きっかけによって思い返されます。

「自分のルーツに会いに行く。」

「帰る場所」は現地ではなく過去の思い出であり、「ただいま」と言う相手は人だけではない。

知心寺 住職 眞田正適

眞田正適

眞田正適

中学校を卒業してから高野山にて十年間 真言密教を学び、行を経て地方寺院にて長年奉職するもコロナウイルス感染症が流行により、辞職することになる。 自分自身に何ができるかと自問自答していた時に、知心会代表である岡本真太郎と出会い、「皆が共に学び、共に成長できる場所を作りたい」といった想いに感銘を受け、知心寺を興し、知心寺住職を拝命する。 日々綴っている「住職の心書」では、仏教の教えをもとに心を豊かにする言葉を発信している。

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