眞田正適の心書

住職の心書737.成熟

ある弟子がお釈迦様に尋ねられました。
「人間の心の汚れは徐々に清められていくのでしょうか?それとも瞬時に清められていくのでしょうか?」

お釈迦様は
「心の汚れはだんだんと清められていくのであって、決して瞬時に清められるものではない。それはちょうど木の実が時をかけて成熟するようなものであり、木の実が決して一夜のうちに熟すことがない」と説かれました。
(入楞伽経)

音楽や舞踊や絵画など様々な技術を習得し、熟達する事はどんな天才でも一瞬にはできません。最初は基礎から順次段階を経て、修練し、一つ一つ会得していく事によって素晴らしい作品となっていくのです。

「あの人は上手くいっているのに‥。」
「周りと比べて私なんて‥。」

成熟度合いは同じ実のなっている木であってもそれぞれ違います。

慌てて成熟する前に食べようとしたり、慌てて結果を求めるから苦味や苦しみが生じてくるのです。

知心寺 住職 眞田正適

眞田正適

眞田正適

中学校を卒業してから高野山にて十年間 真言密教を学び、行を経て地方寺院にて長年奉職するもコロナウイルス感染症が流行により、辞職することになる。 自分自身に何ができるかと自問自答していた時に、知心会代表である岡本真太郎と出会い、「皆が共に学び、共に成長できる場所を作りたい」といった想いに感銘を受け、知心寺を興し、知心寺住職を拝命する。 日々綴っている「住職の心書」では、仏教の教えをもとに心を豊かにする言葉を発信している。

この記事は役に立ちましたか?

参考になりましたら、下のボタンで教えてください。

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


PAGE TOP
ログイン