眞田正適の心書

住職の心書792.薫習 1

道端に紙屑が落ちているのを見て、お釈迦様は弟子にその紙屑を拾わせてこう質問しました。
「その紙は何に使ったものと思うか?」

弟子は
「この紙は大変良い香りがしますので香を包んでいたものと思われます。」

お釈迦様は深く頷かれ、また歩きはじめました。しばらく行くと今度は縄の切れ端が落ちていて、お釈迦様は弟子に対してその縄を拾わせてこう質問しました。

「この縄は何に使ったものと思うか?」

弟子は
「この縄は大変生臭く感じますのでこれは魚を縛っていたものでしょう。」

お釈迦様は頷かれてで弟子に向かってこう説かれました。

「先ほど拾った紙も、今拾った縄も元々は匂いもなく本来清らかなものであるが、お香を包めば芳しくなるし、魚を結べば生臭くもなる。」といったお話。
(譬喩経)

知心寺 住職 眞田正適

眞田正適

眞田正適

中学校を卒業してから高野山にて十年間 真言密教を学び、行を経て地方寺院にて長年奉職するもコロナウイルス感染症が流行により、辞職することになる。 自分自身に何ができるかと自問自答していた時に、知心会代表である岡本真太郎と出会い、「皆が共に学び、共に成長できる場所を作りたい」といった想いに感銘を受け、知心寺を興し、知心寺住職を拝命する。 日々綴っている「住職の心書」では、仏教の教えをもとに心を豊かにする言葉を発信している。

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