「眠れない人には夜は長く、疲れた人には一里の道は遠い。」疲れた時と元気な時との一キロの距離の感じ方は違います。疲れ切っている時にあと1キロ走れと言われたら辛くなります。
私たちの職業も同じであります。我々が仕事に専念すればするほど自身の知らないところで他人や自然に迷惑をかけることが多くあります。
仏教に信仰の厚い王様がいた。その王様はよく狩猟に出かける。仏教を禁じる殺生をさんざんやっていて仏教を厚く信仰しているなんておかしいではないかと。そんな王様を家臣たちは影で笑う。ある日。家臣たちの陰口が
「0か100」「成功か失敗」「合格か不合格」「勝ったか負けた」と全てを二択で判断してしまう方が多くおられるように思います。
「いくら他者から称賛されても自身の心の安定を得ていないのであればその称賛は空しい。いくら他者から非難され、彼自身の心の安定を得ているならばその非難は空しい。」(長老偈)
私たちの生きるこの世の中は、危険が沢山あり、険しく歩きにくい世の中であります。それを鹿の皮をひいて自分自身が思う理想の道にしようとしていても反発もあってなかなか実現していかない。
石や木切れが落ちていて、歩くのに危険である。どうすれば良いか?とお釈迦様は弟子たちに問いた。弟子たちは互いに話し合って、ある弟子が答えた。「人間の歩く道を全て鹿の皮で覆うと良いと思います。」
「いかなる人を友としようと、いかなる人と付き合っていてもやがては普段付き合ってる相手と似た人間になる。」(ウダーナヴァルガ)