眞田正適の心書

住職の心書69.直住月宮

密教の考え方に「直住月宮」といった言葉があります。

月(仏性)がありその間に雲(煩悩)があれば人は雲が邪魔になって月が見えないと言って、雲を取り払うことばかりに躍起となってしまう。
するとそればっかりに囚われて月の存在(目的)を忘れてしまう。

「直住月宮」は月(仏性)を遮る雲(煩悩)を取り払うことばかりに躍起となるのではなく、先に月(仏性)に座ってしまう。
自身が月に座れば雲は全く気にはならない。

「立場を変える」

立場を誤ったら雲(煩悩)にふり回され、肝心な月(仏性)を忘れてしまう。
目的から逆算して考えていくということが密教的 目的実現の考え方であります。

知心寺住職 正適

眞田正適

眞田正適

中学校を卒業してから高野山にて十年間 真言密教を学び、行を経て地方寺院にて長年奉職するもコロナウイルス感染症が流行により、辞職することになる。 自分自身に何ができるかと自問自答していた時に、知心会代表である岡本真太郎と出会い、「皆が共に学び、共に成長できる場所を作りたい」といった想いに感銘を受け、知心寺を興し、知心寺住職を拝命する。 日々綴っている「住職の心書」では、仏教の教えをもとに心を豊かにする言葉を発信している。

この記事は役に立ちましたか?

参考になりましたら、下のボタンで教えてください。

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


PAGE TOP
ログイン