眞田正適の心書

住職の心書82.悪口の行方

お釈迦様とある者とのやり取りにこんな話があります。

あるとき、異教徒の者がお釈迦様の所にこられ悪口を言った。黙って聞いておられた釈尊は、彼が悪口を言い終わると静かにたずねられた。

「仮に他人に贈り物をしようとして、その相手が受け取らなかった場合、その贈り物は一体誰のものだろうか」

「相手が受け取らなかったら贈ろうとした者のものだろう。」

「今、あなたはひどく私をののしった。でも、私はそのののしりを少しも受け取らなかった。だから、あなたが言ったことはすべて、あなたが受け取ることになる」(相応部経典)

悪口を言われたから傷つくのではなく言われた悪口を丁寧に受け取るから傷つくのであります。

知心寺住職 眞田正適

眞田正適

眞田正適

中学校を卒業してから高野山にて十年間 真言密教を学び、行を経て地方寺院にて長年奉職するもコロナウイルス感染症が流行により、辞職することになる。 自分自身に何ができるかと自問自答していた時に、知心会代表である岡本真太郎と出会い、「皆が共に学び、共に成長できる場所を作りたい」といった想いに感銘を受け、知心寺を興し、知心寺住職を拝命する。 日々綴っている「住職の心書」では、仏教の教えをもとに心を豊かにする言葉を発信している。

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