ある男が他人の家を訪問した時に壺の中お菓子を見て、欲しくなり、狭い壺の口に手を突っ込みました。
そしてお菓子を掴んで手を抜こうとしましたが手が抜けません。
そこに家の主人がおいしそうな饅頭を皿に入れて持ってきました。
その人は今度はその皿に乗った饅頭が欲しいと思いましたがどうやら壺から手が抜けないで困っていました。
すると家の主人が言いました。
「壷の中のお菓子を手放せば饅頭を食べることができますよ。」
主人の言っていた通り掴んだお菓子の手放しとすると手が抜けて饅頭を食べることが出来たといったお話。
捨てれば新しいものが得れるのに、今までの過去に得たものに執着しそれが障害となって新たな一歩を踏み出すことが出来なくなってしまいます。
仏教では喜んで捨てる「喜捨」を説きます。
苦しんでまで捨てる必要はありませんが喜んで捨て切れる人は心の自由が生まれ、軽やかに過ごせる。
知心寺住職 眞田正適
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