眞田正適の心書

住職の心書196.突っ込んだ手

ある男が他人の家を訪問した時に壺の中お菓子を見て、欲しくなり、狭い壺の口に手を突っ込みました。
そしてお菓子を掴んで手を抜こうとしましたが手が抜けません。

そこに家の主人がおいしそうな饅頭を皿に入れて持ってきました。
その人は今度はその皿に乗った饅頭が欲しいと思いましたがどうやら壺から手が抜けないで困っていました。
すると家の主人が言いました。
「壷の中のお菓子を手放せば饅頭を食べることができますよ。」

主人の言っていた通り掴んだお菓子の手放しとすると手が抜けて饅頭を食べることが出来たといったお話。

捨てれば新しいものが得れるのに、今までの過去に得たものに執着しそれが障害となって新たな一歩を踏み出すことが出来なくなってしまいます。
仏教では喜んで捨てる「喜捨」を説きます。
苦しんでまで捨てる必要はありませんが喜んで捨て切れる人は心の自由が生まれ、軽やかに過ごせる。

知心寺住職 眞田正適

眞田正適

眞田正適

中学校を卒業してから高野山にて十年間 真言密教を学び、行を経て地方寺院にて長年奉職するもコロナウイルス感染症が流行により、辞職することになる。 自分自身に何ができるかと自問自答していた時に、知心会代表である岡本真太郎と出会い、「皆が共に学び、共に成長できる場所を作りたい」といった想いに感銘を受け、知心寺を興し、知心寺住職を拝命する。 日々綴っている「住職の心書」では、仏教の教えをもとに心を豊かにする言葉を発信している。

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