眞田正適の心書

住職の心書204.同じ景色

「阿波の大滝岳に登りよじ、土佐の室戸岬に勤念す。谷響きを惜しまず、明星来影す」(三教指帰)
訳)阿波の国の大滝岳によじ登り、土佐の室戸岬で一心不乱に真言を唱えていると谷はこだまを返し、明星(虚空蔵菩薩の化身である)が姿を現した。

明星が徐々に大きくなり弘法大師(空海)の口に入り、宇宙と一体になったと言うべき神秘体験をしたと通説では言われております。
私は、この体験は「ハッと」気付いた瞬間に大きく物事の見方が変わったといった事を表しているのだと愚考します。
同じ光であっても、同じ景色であっても気持ちの持ち方やその時の状況で大きく見方が変わってきます。
寒い日にお日様が有り難く感じるように。

知心寺住職 眞田正適

眞田正適

眞田正適

中学校を卒業してから高野山にて十年間 真言密教を学び、行を経て地方寺院にて長年奉職するもコロナウイルス感染症が流行により、辞職することになる。 自分自身に何ができるかと自問自答していた時に、知心会代表である岡本真太郎と出会い、「皆が共に学び、共に成長できる場所を作りたい」といった想いに感銘を受け、知心寺を興し、知心寺住職を拝命する。 日々綴っている「住職の心書」では、仏教の教えをもとに心を豊かにする言葉を発信している。

この記事は役に立ちましたか?

参考になりましたら、下のボタンで教えてください。

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


PAGE TOP
ログイン