眞田正適の心書

住職の心書256.手段

「あれを見て!」と指をさすと大概の方は指を見る事なく指をさした方を見ます。
「月を指すを見て、指を観て月を観ざるがごとく、名字に計著する者は、我の真実を見ず。」(楞伽経)
月を指さすときは、指(手段)でなく月(目的)を見るべきであるといった意味であります。
その指自体は、あちらの方を観てもらうために用いた手段の一つにすぎません。

バタバタと業務や作業に追われているうちに、いつの間にか手段が目的化してしまうことがよくあります。

「目的は月を見ること」

日頃から意識する事が大切であります。

知心寺住職 眞田正適

眞田正適

眞田正適

中学校を卒業してから高野山にて十年間 真言密教を学び、行を経て地方寺院にて長年奉職するもコロナウイルス感染症が流行により、辞職することになる。 自分自身に何ができるかと自問自答していた時に、知心会代表である岡本真太郎と出会い、「皆が共に学び、共に成長できる場所を作りたい」といった想いに感銘を受け、知心寺を興し、知心寺住職を拝命する。 日々綴っている「住職の心書」では、仏教の教えをもとに心を豊かにする言葉を発信している。

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