眞田正適の心書

住職の心書524.生苦

逃げられない苦しみの一つに「生苦」があります。
「生を享けた以上、生きていかないといけない苦しみ」があるということ。

「最初の苦しみは誕生の瞬間」
生まれる際、狭くて暗い産道を通って産まれてきます。
この時に約1.5トンもの圧力が頭蓋骨にかかっているともいわれています。
 頭蓋骨が歪む程の苦痛を乗り越えて産道を通り抜けて生まれてくるのです。
 
それだけで苦しみが終わるわけではなく、スタートを切った以上最後の終焉を迎える事が約束されながら苦しい世の中を生きていかなければなりません。

「この世は素晴らしい」「生きるって最高」だと思えたらいいですが、そうは簡単にはさせてくれません。
仏教の根本は「この世の全ては苦である」と説きます。
その言葉を初めて知ったとき、「よかった」「やっぱりか」と安心した事を思い出します。

苦しみを前提で捉えたとき、微かな喜びの光が心に差し込んでくる。

知心寺住職 眞田正適

眞田正適

眞田正適

中学校を卒業してから高野山にて十年間 真言密教を学び、行を経て地方寺院にて長年奉職するもコロナウイルス感染症が流行により、辞職することになる。 自分自身に何ができるかと自問自答していた時に、知心会代表である岡本真太郎と出会い、「皆が共に学び、共に成長できる場所を作りたい」といった想いに感銘を受け、知心寺を興し、知心寺住職を拝命する。 日々綴っている「住職の心書」では、仏教の教えをもとに心を豊かにする言葉を発信している。

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