眞田正適の心書

住職の心書570.どうせ無理 1

タイで「象」の背中に乗せていただいた際に少し不安に感じた事がございました。
それは、小さな杭に繋がれた「鎖」を足に巻かれているだけで象が管理されている点。
「象」ほどの巨体ならば、小さな杭を根こそぎ引っこ抜くほどの力を持っているはずです。
それなのに象は、なぜ逃げようとしないのか?疑問に思い、飼育員に尋ねると‥。
「この象が逃げないのは生まれたばかりの子象の時から杭に繋がれているから」と笑いながら答えられた。
鎖で繋がれた象は何回も何回も逃げようと試みていたのです。
しかし、それを試みたのは「子象」の頃でしたその頃は小さくて、杭を根こそぎ引っこ抜くほどの力はまだまだありませんので、どんなに頑張っても鎖から逃げることができなかったのです。

次の日も、次の日も。そのまた次の日も…

何度も繰り返し、鎖を引きちぎろうとしたができずにそして、ある日…ついに子象は逃げることをあきらめるのです。

どうせ無理だと…。

知心寺 住職 眞田 正適

眞田正適

眞田正適

中学校を卒業してから高野山にて十年間 真言密教を学び、行を経て地方寺院にて長年奉職するもコロナウイルス感染症が流行により、辞職することになる。 自分自身に何ができるかと自問自答していた時に、知心会代表である岡本真太郎と出会い、「皆が共に学び、共に成長できる場所を作りたい」といった想いに感銘を受け、知心寺を興し、知心寺住職を拝命する。 日々綴っている「住職の心書」では、仏教の教えをもとに心を豊かにする言葉を発信している。

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