眞田正適の心書

住職の心書722.無明 1

「苦手な事は何ですか?」とストーリーズで投稿したところ「夜道!」と答えられた方がおられました。

どのように思ってそう答えられかは分かりませんが「夜道」で思い出したお話に「蛇縄麻の喩え」(唯識)といったお話がございます。

ある人が闇夜を歩いているとふと蛇に遭遇しました。慌てて家に帰ったものの、あの蛇が家の中まで入ってきたらどうしよう、と考えると不安で眠れません。
 翌朝、蛇を確かめに行くと、実はただの一本の縄が転がっていただけ。
 一安心して近づいて見ると、縄よりも細い麻で編んだ紐だったといったお話であります。

不安とはまさにこのことであります。暗くてよく見えないものを「蛇」だと思い込み、恐怖に思ってしまいます。
明るい光の下で見てみて初めてそれが自分の思い込みだったことに気づくのです。

この喩えはよく日常生活でありがちなことであります。
「苦しみの原因は何なのか?」「何に怯えているのか?」自分が恐れているものの正体を明らかにしていく事が不安を取り除く方法であります。

知心寺 住職 眞田正適

眞田正適

眞田正適

中学校を卒業してから高野山にて十年間 真言密教を学び、行を経て地方寺院にて長年奉職するもコロナウイルス感染症が流行により、辞職することになる。 自分自身に何ができるかと自問自答していた時に、知心会代表である岡本真太郎と出会い、「皆が共に学び、共に成長できる場所を作りたい」といった想いに感銘を受け、知心寺を興し、知心寺住職を拝命する。 日々綴っている「住職の心書」では、仏教の教えをもとに心を豊かにする言葉を発信している。

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