眞田正適の心書

住職の心書789.気づかぬ宝 1

ある時、貧しい男が親友を訪れました。親友は喜んで彼を迎え、酒を飲んで楽しく過ごしました。
一夜明けて親友は所用があり、先に出なければならなかったので彼を起こさないように静かに出かけました。

親友は出かける際に貧しい彼が気になったので生活に困らないように高価な宝の珠を衣服の袖の中に入れてあげて出発しましたが、貧しい男は自分の衣服の袖に入った宝に気づかず相変わらず貧しい生活をしておりました。

しばらく日が経って貧しい男は金持ちの親友とばったり会いました。
衣服の袖に入れていたのあの宝の珠はどうしたの?それを売ればある程度暮らしていけるのにもうそのお金を使い果たしてしまったのか?と親友が尋ねると‥。

彼はびっくりして着ていた服の袖を探ると袂から宝の珠が出てきて彼は大喜びで、親友に御礼を言って家に飛んで帰ったといったお話。
(法華経)

この宝は我々に何を教えてくれているのでしょうか?

知心寺 住職 眞田正適

眞田正適

眞田正適

中学校を卒業してから高野山にて十年間 真言密教を学び、行を経て地方寺院にて長年奉職するもコロナウイルス感染症が流行により、辞職することになる。 自分自身に何ができるかと自問自答していた時に、知心会代表である岡本真太郎と出会い、「皆が共に学び、共に成長できる場所を作りたい」といった想いに感銘を受け、知心寺を興し、知心寺住職を拝命する。 日々綴っている「住職の心書」では、仏教の教えをもとに心を豊かにする言葉を発信している。

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