眞田正適の心書

住職の心書800.タイムスリップ

毎年、爽やかな秋晴れの日にふわっと薫る金木犀の香りを嗅ぐと、以前勤めていたお寺の出来事を鮮明に思い出す。

辛かった事も、苦しかった事も、もちろん楽しかった事も‥。

「身は花とともに落ちぬれど、心は香とともに飛ぶ。」(性霊集)

訳)人はいつかは花のように離れ離れにならないといけない定めであるが、思い出はいつまでも香り続けて広がっていく。

特に写真があるわけじゃない。
その場所に居るわけじゃない。

しかし香りによって映画のワンシーンみたいに鮮明に想起される。

過去の記憶に戻れるのであれば、良き思い出を思い出せるように今を懸命に生きなければならない。

知心寺 住職 眞田正適

眞田正適

眞田正適

中学校を卒業してから高野山にて十年間 真言密教を学び、行を経て地方寺院にて長年奉職するもコロナウイルス感染症が流行により、辞職することになる。 自分自身に何ができるかと自問自答していた時に、知心会代表である岡本真太郎と出会い、「皆が共に学び、共に成長できる場所を作りたい」といった想いに感銘を受け、知心寺を興し、知心寺住職を拝命する。 日々綴っている「住職の心書」では、仏教の教えをもとに心を豊かにする言葉を発信している。

この記事は役に立ちましたか?

参考になりましたら、下のボタンで教えてください。

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


PAGE TOP
ログイン